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申し訳ありません。あなたを不幸にしたのは私のアドバイスでした。

悩んで困っているからこそ、片付けを依頼してくれたはず…。
なぜ、その後も片付けを引き続き依頼してくれないのか?

 

これは、駆け出しのアドバイザーにとって、もっとも悩む部分であり
トライアンドエラーの必要な部分であると思います。

 

私自身も駆け出しの1人です。
ですから、引き続きご依頼を頂けなかった時には、
一体何か不手際があったか?
見当違いの対応をしてしまったのか?
傷つけるような事を言ってしまったのか?

 

悩みながら、試行錯誤し今に至ります。

 

人対人ですから、性格が合わないと感じる部分もあるかもしれない。
気に触ることがあったかもしれない。
そもそも予算が合わなかったのかもしれない。

 

色々な事情はあるでしょう。


妻で母である事は、同じであって同じでない


アドバイザーは子供を持つ女性が圧倒的に多いです。

そして、片付けに悩んでる、興味を持っている人も子供を持つ女性の場合が多い事を知っているので、
同じ立場の人の助けになりたいと考える人も多い。

 

それは悪いことではありません。
むしろ、外から見ると悩みと取れない事でも、それを理解できるのは同じ立場であるからです。

 

しかし、ここで勘違いがおきます。

 

特に駆け出しのアドバイザーが勘違いしがちなのは
「私は同じように主婦で、妻で、母だから理解できる」
「整理収納の正しさを伝えられる」
「それをお客様に伝えることが、悩みの解決になる」
が実は落とし穴であるということ。


正しさの押し売り


得てして駆け出しアドバイザーは、習得した内容が正論で正しいと思いがちです。

 

正しいと考えることを、信じて伝えるのは間違いではありません。
自分自身が嘘と思うことを自信を持って伝えられるわけがない。

けれど同じ立場であるからこそ、自分の信じる正しさの伝え方を考える必要があります。

 

寄り添って悩みに共感することと、自分が正しい思うことをそのまま伝えることは全く別物です。

それは、寄り添ってるのではなく、あなたの価値観を押し付けてるだけです。

 

お客様はちゃんと見てます。
ただ、あたなが知識と価値観を押し付けてるだけなのか?
自分のために、自分にあった方法を模索した答えなのかを。

 


お客様は知っている


以前、数度お伺いをしたお客様がいました。
その時、私は暮らし方を伺い、今の家族の動きや部屋の使い方を伺い、どこが悩みであるのかを伺いました。
その上で、整理収納の方法に則り、モノの判断の仕方を伝え、彼女にとってどうする事がストレスのない暮らしになるかを提案し、実作業を一緒に行いました。

モノの判断は、私がする事ではないので、判断はそのお客様がします。
けれど、後から言われたのは
「本当はあれを捨てたくなかった。」
の一言でした。

 

これには、頭を殴られたような衝撃がありました。
一体、私は何を見て、聞いていたのか?
私のしていたことは、彼女の悩みの解決どころか、不信感を与えるような押し付けだったのか?

 

今にして思えば、その時の私は一度に全てを伝えなければ!
すぐにでも空間を変えることこそ、お客様に価値を届けたことなのだと勘違いしていたのです。
だって、整理収納という方法は、正しいのだから、と。

 

でもこれ、違います。
お客様は正しいことなんて、本当は分かっているんです。
それでも自分の気持ちがしっかり落ちる、自分だけの言葉を見つけたいだけ。
もちろん、アドバイザーという存在時代がやる気スイッチだったり、背中を押す存在だったりもします。
でもそれは、後の話し。

 

正しいことの押し売りが欲しいわけじゃない。
だからこそ、お客様から出た言葉が「本当はあれを捨てたくなかった」に込められていたのです。

 

けれど、「自分の腹に落ちる自分だけの言葉」なんて、自分でしか得る事が出来ません。
ならばアドバイザーは何を、どうすべきなのか?
整理収納の前に、何をすべきなのか?

 


自分の思い込みの洗い出し


アドバイザーは、誰しもが実作業を始める前にお客様にヒアリングを行います。
もちろん、何に悩んでいるか?というと、
・片付けられない
・モノが散らかる
・片付け方が分からない

この辺りが非常に多く出てきます。
例えば自分と同じ女性で子供のがいる人だったら、その悩みの質がどの方向のものなのかは想像しやすいでしょう。

 

けれど、その自己判断が正しさの押し売りへの一歩。
人を理解するなんて100パーセント無理です。
それを寄り添いと呼ぶのならば、勘違いも甚だしいって話しです。

 

だからこそ、必要なのはあなたの経験やら価値観やらにお客様を当てはめずに、ただ状況、その環境を質問すること。
それは、言葉にすれば当たり前の事だと思います。
けれど、新人アドバイザーは忘れがちな事であり、非常に重要な事なのです。

 

相手が自分と同じ女性でも、子供がいたとしても、あなたと同じではありません。
女性だからこう、妻だからこう、子供がいるからこう…
その思い込みに囚われないでください。


目の前の状況にジャッジをつけない


私達はジャッジマンではありません。
質問の際に、何故そうなったか?を聞くのではありません。
お客様は自分を否定されるのではないかと常に考えます。
相槌1つも、不安で仕方ない。
だからこそ、自分の思い込みを捨て、

お客様のために「今の状況、環境を整理」する事を目的として質問をして下さい。

・ここにこれがあるのは、どんな動きをしているからか?
・そこにモノを残しているのは、どんな背景があるからなのか?

こうした質問をしていくことで、お客様自身が暮らし方、モノの持ち方、これからに向けてを自分で考え自分で整理出来ていくのです。


方法は、あくまでも作業としてのみ使う


そして、お客様自身の状況の背景が見えてきて初めて、「整理収納」を手段として
これからのお客様の暮らしに必要な方法をお客様に合わせて提案していきます。

 

お客様によっては、モノを処分する事が最短の解決方法かもしれません。
けれど、それを捨てない、捨てられない背景を知っていれば、その選択肢は最短ではあっても最善ではないでしょう。

 

もしかしたら目の前のお客様にとっては不要でも、そのご家族にとって大切なモノであると
お客様自身が改めて認識出来たら、ただ残してしまっておくのではない解決方法が提案出来ます。
 


先人である先輩方も、きっと同じような「当たり前のこと」にトライアンドエラーを繰り返して来られて、今があるのだと思います。
これをハッキリ伝えていないのは、

いえ、もしかしたら伝えてるかもしれませんが、

机上で学ぶだけでは分からない、アドバイザー本人が経験しなければ自分の糧にならないから、かもしれません。

 

けれど、その「当たり前」の意味を知っているか知らないかでは、今後の自分の仕事との向き合い方も変わります。

 

整理収納は、確かに分かりやすく片付けを論理的に紐解いた手段です。
けれど、それを使うのは人間であること、

伝える相手は自分と違う背景を持っているのだということを改めて肝に命じ、

自分の正しさ、価値観が正解ではないという「当たり前」が分かれば、

きっと真にお客様に寄り添える、リピートされるアドバイザーになれるはずです。

 

 

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