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その暮らしに色気を感じますか

「暮らし」と「色気」

 

正直この2つの言葉は、中々頭の中で結びつかない言葉だと思います。
ここで言う「色気」は、暮らし方、生き方に置いて魅力を感じるか、心に潤いを与える暮らしに思えるか?という意味で使っています。

 

で、何故そんな事を書こうかと思ったかと言いますと、この夏に5冊ほどそれぞれ方向性の違う暮らし方について書かれた本を読んだからです。
5冊もまとめて読んだ理由は、最初の1冊がいくら読み進めても、ちっとも魅力を感じることが出来ず、
ならば方向性の違う本を読む事で、自分の感じない理由を明確に出来るのでは?と考えたからでした。

今回は私自身の考えを交えながら、また「色気」という言葉の発端について、私の考える色気のある暮らしとは何か?について書こうと思います。


「乾くわ〜…」と感じた、その理由


5冊のうち、3冊は「ミニマリスト」の方が書かれた本です。

1冊は20代男性の方が書いた本。最初に読んで、魅力が全く感じられなかった本です。
ミニマリストな暮らしへと向かった背景、数年かけて今のモノのない暮らしを作り上げた事が書かれていました。

2冊目は、30代後半の男性が書かれた本。
3冊目は、4人家族で暮らすアラフォー女性の書かれた本。

 

最初に「魅力を全く感じない」と書きましたが、読み進める中で直感的に思い浮かんだのは「色気ないなぁ…」でした。
そこからさらに思い浮かんだ言葉は「乾く」

内田春菊さんのエッセイに出てきた「乾くわ〜」という言葉が、ぴったりと、私の中で当てはまりました。
内田春菊さんのエッセイマンガ、読まれた事がない方に向けて書くと、

この「乾く」とは、男性が女性に対して蔑視的に使う「こんな女じゃ勃たねーよ」という言葉に対し(現実世界で中々お目にはかからない言葉ですけど)
これを男女逆パターンで考えた場合、何と言うか?を内田さんと娘さんが考えた結果「乾くわ〜」という表現が出来上がったんです。

魅力ない、つまらない、味気ない、面白みがない、などの場合に使うニュアンスです。

 

しかし、たった1冊は読んだだけで、ミニマリストという暮らし方を私自身が「乾く」と感じた理由も分からないままであり、本来魅力を感じる部分があるのを見落としてるのではないか?
また私自身が本を読んで言葉では表せないモヤモヤがあったため、他の著者でミニマリスト本を探し読んだ…というのが3冊読んだ理由です。

 

私の感想、そこに書かれているミニマリズムという考え方についてですが、
彼らのベースはわたしが過去に学んだ「整理収納」に則った考えを、突き詰めた暮らし方である、という事。
そして、当たり前ですがその暮らし方にメリットを感じてるゆえに彼らがそうしている、という事。
彼らの暮らし方は、振り幅でいうならば、極端です。
3人の方を年齢順に読み進めたので、最後に読んだご家族のいるアラフォー女性の方が書かれた本が、ある意味1番理解しやすかったです。
それは、私とライフステージが似通っているからだと思います。

ならば私がその暮らし方、ミニマリスト的暮らしを実践するか?という問いをされたらと言うと、「NO」とはっきり言えます。

なぜか?

私以外の家族が、その暮らし方に納得できるのか?

仮に出来たとして、それは家族それぞれをパーソナル的な部分を大切にした暮らし方なのか?

と考えると、全て「YES」とは言えないからです。

 

効率はとても良いでしょう。
モノの選択に、悩む必要もないでしょう。
探す手間は無いですから、無駄な時間も無くなるでしょう。

それでも、「YES」は出ないのです。

 


「生きてる」と感じる、その暮らし


残り2冊のうちの1冊は、発達障害のある男性が書かれた仕事術の本です。

こちらは、仕事術というよりも「いかに自身の特性を客観的に把握し、仕事も含めた生活、暮らし全般がスムーズに運ぶか?」について書かれていました。
著者の暮らし方は、上記のミニマリストという暮らしとは、対極であるかもしれません。
けれど、モノを捨てる、減らす、持たない、という手段とは違うアプローチで、自身の暮らしや生活をスムーズに快適を作れるのだ、という事をこの本は伝えています。

 

最後の1冊は、俳優の岩城滉一さんの奥様である結城アンナさんが書かれた本。

一女性として家庭を切り盛りし、子供を育て上げ、親の介護も経験。
性格の全く違う夫婦が、長年仲良く暮らすコツ、自身の興味を諦める事なく、楽しんで暮らす術。
私より年上で、これから辿る人生の道筋の先を軽やかに(もちろん時に厳しい事もあるはずでも)
絶賛で子育て中の私にとって、この先の人生に希望という言葉を感じさせてくれた本です。

 

正直、私自身にとってはミニマリスト本よりも上記2冊の方が読み応えがあり、また自分の仕事やプライベートの生活部分に参考に出来ると強く感じました。
私自身が整理収納という方法を知っているからこそ、自分が知らない暮らし方や方法、経験してない年齢での暮らしの在り方が書かれていた事が、理由かもしれません。

何よりも最初の3冊から感じた「色気ないなぁ…」や「乾くわ〜」という感覚は全くありませんでした。
血の通った暮らし、生きた暮らし、そこに1人の人間のこだわりや工夫、性格を見つけられる暮らしの存在を感じたのです。

 

もちろん、ミニマリストと言うと暮らし方も、その人自身の生きた暮らしであると思います。

 

でも、惹きつけられない。

その違いは、一体何なのか?

 


何に重点を置いた暮らしか?


上記の本に書かれた暮らし方は、どれも方向性は違います。
重要なのは、「何に重点を置いた暮らしなのか?」
そこでは無いでしょうか?

 

私がミニマリストという暮らし方に「乾く」と感じたのは、まだまだ私自身がモノに振り回されてるから、なのかもしれません。
けれど、「モノ」を持たない事に、「モノ」に振り回される環境は非効率だとムダだらけだと伝える様は、
むしろモノにとらわれ、振り回されてるのはどちらの暮らしなのだろうか?と考えてしまいました。

特に家族で暮らしている場合、自分だけの思考では生活は成り立ちません。
先のご家族と暮らすミニマリストの女性の場合、ご主人はモノにこだわらない人なのだそうです。
ゆえにミニマリスト的暮らしが実現可能なのでしょう。(もちろん、様々な葛藤はあったと思いますが)

でももし、モノにこだわる人が家族にいたならば?
モノのない暮らしを目指して捨て始め、そんなモノはいらないとモノを買わずにいたら?
それこそ、たかがモノのせいで喧嘩の絶えない暮らしになるのではないか?と思うのです。

確かにモノが少ない方が管理する手間もない、掃除も楽、余計な出費も減らせる…など様々な利点はあります。
けれど、諍いにつながる、個人の思想や考えすらも否定に繋がりかねない、となるならば、モノがあったっていいと思うし、片付けが必要になっても、誰もが分かる収納方法を見つければいいだけです。

改めて書きますが、ミニマリスト的な暮らし方を否定してるのではありません。
「何が今のあなたの暮らしの中で重要なのか?」それを把握する事が大事だということを忘れてはいけないのです。

 

それらを踏まえて導き出される私の中の優先順位は、モノではなく、生きた人の暮らしです。

 


まとめ


改めてその点を軸に、今回読んだ本について考えると、モノがあってもなくても、その人にとって大切だと感じるモノが大事に出来る暮らし方こそが、私個人の中での暮らし作りの軸である事が再確認出来ました。

 

私にとって、ミニマリスト的暮らしは、様々なメリットがあったとしても、全てを取り入れることは、私の今ある家族のパーソナルな部分を大切には出来ないと感じました。
多少モノが多くても、管理方法や収納方法を工夫する事で、互いが気持ち良く暮らせる生活がいい。
例え自分にとって不要に感じるモノがあったとしても、それが相手の大事なモノならば残す方法を探せばいい。
それがある事で、人間味も醸し出すのではないでしょうか?
その人自身の背景も、見えて来る気がしませんか?
それって、色んなことが想像できて面白いと思うし、モノを介してコミュニケーションがとれるきっかけにもなると、私は考えます。
少なくとも、私は相手を見る時に、その人を取り巻くモノの存在も、その人個人の人格の一部と考えてるのだと、思い至りました。

ごく個人的に、「乾くわ〜…」と感じた理由を改めて考えると、
常に同じ服を着る事に私は効率の良さよりも、つまらなさを感じるし、
迷う事も楽しみの1つと思ってるし、
正直そこに掲載されてた服が素敵と思えなかった。
床の上で寝たくないし、ご飯はテーブルで食べたい。
めったに出番が無いけれど、一目見て心を持っていかれたカップ&ソーサーは手放すつもりはない。
近所のスーパーやコンビニは、自分の冷蔵庫だ、なんて言ってるようじゃ、災害時に家族は守れない。

艶っぽい話しをするならば、コンビニが我が家の冷蔵庫だと言う男性に、体を許す程の魅力を感じられないし(むしろ危機管理のなさに引く)
自分が男だったら、制服のように似た服ばかり着る女性を押し倒したいと思えない。

私が魅力を感じる事が出来なかったのは、これら感情があったからでした。

 

それでもこの先、もしかしたら何かのきっかけで、私がミニマリスト的な暮らしに目覚める事はあるかもしれません。
でもそれは、その時の自分や家族がどんな事を大切にして暮らしてるのか?
それを可能とする選択肢の1つであった場合です。

もちろん、多すぎるモノに囲まれる事が幸せとは思わないし、かと言って究極にモノが少ない事が今の私の暮らしに幸せをもたらすとも思っていません。
私は突き詰めた暮らし方の提案や、思いもしないような考え方の暮らしの提案は出来ません。
尖ったところもなければ、憧れるような生活をしてもいません。
けれど、ほんの少しでも、いつもの暮らしが、何かを諦めたりする事なく、今の自分や家族にとって大事な事を大事にしてる暮らしこそが、私は魅力的だと思うのです。

 

私にとって、色気を感じる暮らしとは、

人によってはムダと思えるモノだとしても、そのモノも含めて、その人自身を彩り、楽しみ、表現し、生きてると感じる暮らしです。

 

あなたは、自分の暮らしに色気を感じますか?
モノに溢れて、自信をなくして、そんな自分を恥じてませんか?
仮にそこから、ミニマリストを目指す!となったら、あなたの望むサポートは出来ないけれど、
あなたが大事だと思うモノやコト、そして家族の大事を引き立たせるお手伝いならば、出来ます。

 

あなた自身が、色気を感じる、諦めるのではなくあなたが選んだモノが、あなたをさらに引き立たせる暮らしとは何か?考えてみませんか?

 

 

 

こちらは私の、整理収納と夫婦関係家族関係など様々な事を合わせて書く理由です。合わせてお読み頂けると嬉しいです。
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