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片付けで夫婦仲を良好にできない理由

「片付けは手段である」ということは、現場でも伝えることが多いのですが、肝心な部分をすり替えてる人は結構多いのではないでしょうか。

 

片付けで夫婦円満!とかね、聞いたこと、読んだことある人は多いと思うんですよ。

で、じゃあ片付けさえしたら夫婦仲は円満になれるのか?ていうと、当たり前なんですがそんなわけない。

あくまでそれは、結果論。

夫婦仲が良好になるのも、それをどうにかしたいと考えた時の、方法の1つでしかないんですよ。
ただ、目で見て分かる問題に、家が荒れてるとか、モノがいつも出しっ放し、いつも探してる、片付けてくれない、などがある為に「この環境が改善すれば!」と手をつけるのだと思います。

もちろん、散らかってる部屋よりも整った部屋の方が、心も乱されることが少ないでしょう。

何より単純に生活しやすい。
これは男女ともに共通であると思います。

けど、それだけで夫婦仲が良好にはならない。

家が散らかってても、仲の良い夫婦なんて、世の中大勢いますから。

重要なのは、困ってる人と、困ってない人が同じ空間にいる事から起きる摩擦の落とし所が、片付けによって解決できる人には有効である、と理解すること。

 

もちろん、実は片付けが触媒となり、関係が良好になる場合はあります。
それはお互いが心の片隅で荒れた空間が嫌だと思っているからこそ。
そして、そのアプローチが相手に対して圧迫なく、むしろ好感として受け取られた場合にカンフル剤として効果を発揮します。


テリトリーの侵略


片付けって、特に自分の部屋なら問題ないのですが、家族みんなが使う場所だと、よほど片付ける人に家庭内の権限があれば、または相手がこだわりがなければ別ですが、正直かなり難しい。

 

よくあるパターンとして、どちらかの物の散らかしっぷりや、その物量に悩んでる場合。

散らかして、たいして大事そうに扱ってないから、いらないのでは?と思えても、

相手にはそれら全てを捨てるな!みんな必要!だったりするんです。

 

もちろん、勝手に処分するのはアウトです。これすると、下手したら離婚問題に発展しかねませんから。

 

「私にとっては、ゴミのように扱われてるしか見えないけど、相手にとっては違う」
夫婦の分かり合えないポイント、ですね。

けれど、相手にとってはその物こそ、その物の存在こそがテリトリーと考えるとどうでしょう?

片付け=侵略行為、となってしまうんです。

ゴミのような粗末な扱いに見えても、それは自分の体の一部と同じ感覚に近いのかもしれません。

だったら片付けて管理しやすくすればいいのに!と思われるでしょう。
しかしこの場合、ここは自分の家であり、誰かに見られるわけでも迷惑かけてるわけでもない!という感覚が優位なので、片付ける必要性を感じない、という理屈になるのです。

俺の物(俺の領域)なんだから、何しようと関係ない!!

私の物(私の領域)にケチつけないでよ!

とまあ、こんな感じです。

共通するのは、物への自己投影の大きさ。

大抵の場合、本人も本当はどうにかしなくちゃ…とか、見られて恥ずかしい、という思いを多少なりとも抱えてます。

当たり前ですよね、なんせ物は自分の領域であり、分身なんですから。
頭ボサボサでシミだらけのシャツを着てるのと同じです。
物に関して指摘するということは、自分自身に対してダメ出しされたのと同じに受け取りがちです。

だからこそ彼らは自分を守るのに精一杯です。毛を逆立てて威嚇する猫と同じ。
ですからその環境…つまり自分の物の存在が家族を不快にしてる、とまでは考えが及ばず、中々理解することができません。

家族みんなが使う場所なのだから、みんなが気持ち良く暮らせる環境にした方がみんなが幸せだ…ここに、気が付かない、分からない、理解できないのです。

 

そんな彼らに、それこそ土足で侵入するのと同じ行為が「片付け」なのです。
片付けは夫婦円満?いやいや、彼らにとっては解決どころか爆弾を投げ込む行為に等しいです。


解決方法は片付けからじゃない方が、片付けははかどる


最初に書いた通り、部屋の環境はある意味とても分かりやすい、解決までの道のりが想像しやすい悩みです。

目に見える不快感は「部屋が汚い」や「片付けができてない、やってくれない」ということ、だから分かりやすい。

けれど、問題の本質、大元は別です。

ならば、その問題の本質はどうすれば分かるのか?
どうすればお互いに理解してし合えるのか?

私自身は、あくまで整理収納のアプローチからでしか提案はできません。
けれど、1つ言えることとしたら「一度、現状を引いて見る」事ではないかと思うのです。

「なんで出来ないの?」
「何度も言ってるのに!」
「いい歳して、子供みたいな態度しないでよ!」

きっと、こんな言葉が浮かんだ方、もしくは言ってしまったことのある方はいるでしょう。
頭にカーッと血が上り、あまりの理解度のなさに異星人と会話をしてるような気分になった事はありませんか?

こんな状況の時は、ほぼ「自分は正しく正解であり、相手は間違っている」という考えに支配されています。

つまり、相手の言い分が入る余地など全くないのです。

これで、話し合いましょう、コミュニケーションをとりましょうとか、無理ですよ。ホント。

なんせ、私も経験者ですから(笑)
いや、正直笑える状況じゃないですよね。

けれど、だからこそ言えるのは「沸騰した頭を冷やせ」なんです。


きっかけを作る為に


頭を冷やせば何がうまれるのか?

それは、なぜ相手がそのような行動、そのような行為、そのような発言をするのか?を考える余地があなたに出来ます。

余裕のない人間ほど、ろくなことを思い付きません。

悪い方向にしか、本当は仲良くしたいはずが、全然真逆のことしか考えられなくなる。
まず、それを断ち切る作業が大切なのです。

 

もしかしたら、全く別のことで悩みを抱えてるのか?

もしかしたら、私と同じ考えを持っていてもアプローチの方向が違うのか?

それが分からないせいで、余計に状況がこじれているのか?

私の言うことに、相手は抑圧されてるのか?

もしかしたら、私の考えている事自体、相手は想像することが出来ないのではないのか?

私自身が本当に望んでいるのは、片付けて欲しいだけではないのではないか?

ならば、2人のために今すべきことは?

 


きっかけの1つとしての片付けの存在


相手と会話したい。
ちゃんと話し合いたい。
彼(彼女)の意見を確認したい、聞きたい。

夫婦間において、現状の関係を改善したいと願う人ならば、きっとそう考えるとはずです。

けれど、中々そのきっかけがつかめない、
直球で聞くとはぐらかされたり、
貝のようになり言葉を発してもらえなくなる、
などの経験をされてる方も少なからずいるのではないでしょうか?

 

だからこそ、きっかけの1つとして存在するのが片付けなのです。

最初は本当に軽い内容から。
そこから、相手の考えを知ることができるはずです。
もしかしたら、あなたの考えよりももっと斬新で、良いアイデアが出てくるかもしれない。
そこであなたは、分かるはずです。
私と彼は違う人間で、違う考えを持つのだと。

片付けで夫婦円満になれるなんて嘘です。
だったらどんな家もスッキリ片付いてるはずです。

本当に必要なのは、自分と相手は違う人間であることを受け入れ、理解した上で、2人の、または家族の暮らしを考えることではないでしょうか?
小手先の、目に見える事柄だけに固執して、相手の考えや思いは間違っていると決めつけたままでは、何も解決するわけがない。

それに気がつくことさえ出来れば、きっと片付けは、夫婦円満の手助けになれるのだと、私は確信しています。

 

 

こちらは私の、整理収納と夫婦関係家族関係など様々な事を合わせて書く理由です。合わせてお読み頂けると嬉しいです。
【夫婦生活の悩みは暮らしの一部だからこそ、私が整理収納で解決します。】

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