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4.282018
そのメガネを外した、向こう側
「誰にでも、凹凸がある」
そんな事、当たり前でしょう?
得意不得意、好き苦手などの凸凹があるのは誰でも当たり前じゃない?
きっと誰もが、自分と他人は違うことぐらい、知ってると思います。
十人十色という言葉もありますよね。
けれど、中々分かっているようで実際には分かっていないのでは?と思うのです。
本当に自分とそれ以外の人間が違うと分かっているならば、
「なんで、こんな事いうの?」
「どうして、分からないの?!」
という言葉は出ないでしょうから。
けれど出る。たぶん、誰でも出る。
それはなぜか?
人はどうしても、自分の考える基準、自分のいる環境が普通であり当たり前であると思ってる、思い込んでる可能性があるから。
もちろん、知識としては分かってます。
また、出会ったことのある、自分以外の考え方や、環境に関しては、理解できる。
けれど、出会ったことのない考え、触れたことのない言葉、体験したことのない環境となると、
「なんで?」「どうして?」が噴出するわけです。
けど、これだって誰にでもあること。
特に年度始めの4月は、そんな経験体験をされた方は多いですよね。
学校へ入学、就職、転職や転勤。
向かう人、迎える人、どちらも新たな出会いです。
私自身、大学入学したばかりの頃、様々な地域から入学してきた同級生に、「なんで?どうして?」を感じたことがありました。
親戚は全て関東の私は、関西からきた友人の関西弁を聞くうちに、だんだんイントネーションが影響されたり。
そして、関西圏の友人は、決して他県の言葉に影響されなんだ〜、というのを発見したりもしました。
話しがそれましたが、今回、私が伝えたいのは、実は一番身近な家族、家庭は、実はこの「なんで?どうして?!」が放置されたままなのではないか?ということです。
自分基準という、色メガネ
少し前に、こちらの本を読みました。
されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳の壊れた」僕の18年間
ツイッターでも、その感想を呟いたりしたのですが…
昨日、一気に読み終えた本。
「されど愛しきお妻様」
発達障害を抱え、後に悪性脳腫瘍となった奥様と、脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害となった著者の、出会いから現在までの事が書かれています。目に見えない事って、どうしても理解できなかったり伝わらなかったり、伝えにくかったりします。
でも— Tomomi Higurashi (@HigurashiTomomi) 2018年4月25日
高次脳機能障害となり、後天的に発達障害と似た状態となった著者の言葉から、そんな風に見えるのか、そんな風に感じるのか、そんな風につらいのか、それを知る事ができました。
さらにそこから、ならばどうする事でお互いが穏やかに暮らせる環境を作れるか?そのアプローチも、なるほどと感じました。— Tomomi Higurashi (@HigurashiTomomi) 2018年4月25日
で、思うんです。
発達に凹凸がある、またはそうではない場合でも、相手の視界、相手の感覚、相手の感情は、自分とは違うって事を知ることから始めれば、夫婦や親子、家族の暮らしやすさは変化するんじゃないかな?と。
誰を基準にするとかじゃなくて、皆んなの違いをまず知ること。— Tomomi Higurashi (@HigurashiTomomi) 2018年4月25日
「なんでいつも、靴を揃えないの?」
「なんで必ず食後に食器をさげる時に、1つ2つ残すの?」
これも、もしかして次に意識がすでにいってるから、忘れてる?見えてない?と考えると、腹に落ちるのだ。
何より、自分自身がこだわる部分も浮き彫りになってくる。— Tomomi Higurashi (@HigurashiTomomi) 2018年4月25日
上記に書いたように、著者の奥様は「大人の発達障害」と言われる特性の持ち主。
そしてご主人である著者は結婚後に脳梗塞による高次脳機能障害となったことで、発達障害と似た症状を経験する中で、分かっているつもりでいた妻の感覚、視界、思いを知ることになり、そこから時間をかけて家庭環境や夫婦の暮らし方を再構築します。
私自身は、仕事柄、「特性」に類似した悩みに向き合う機会は、多いです。
だからこそ、この本を読んで強く思うのです。
どんな夫婦も、実は身近過ぎるからこそ、「なんで?どうして?」のその先を見ていないのではないか?
もっと言うと、こんなに自分と違う、けれど誰よりも1番近い人の事を、自分基準で見てないか?ということ。
自分基準という色メガネを、己がパートナーに対してかけてるなんて、分かってなかったりします。
私がまさにそうでした。
気がつくと、今だって「なんで、何度も言ってるのに!!」
となるし、
「私の言うことは普通のこと、常識じゃないのか?」
と憤ることがあります。多々あります(笑)
それでも、暮らし作りを片付けからするという仕事を始めてからは、相手がどんな視点で、どんな風に思い、その上で何に困っているのか?
ならばそれを、相手の暮らす環境の中で、どうする事で解決できるか?
そう考えられる思考を徐々に持てるようになってきました。
でもね〜…やはり、家族、夫婦だからこそ分かっちゃいるはずなのに、いつのまにか色メガネを装着してるんです。
言葉や行動の、その向こう側
口下手だったり、自分の考えをうまく伝えられない人はいます。
仕事ならできるのに、なぜか家庭ではできない、という人もいるでしょう。
または、外では気を使って言葉を選んでいても、家族に対しては言葉をオブラートに包まず(包めず?)直球で言ってしまう人もいるでしょう。
私は女性なので、女性視点で考えてしまいますが…
上記のようなタイプの夫ならば、もう奥さんは「なんで?どうして?!」の暴風雨ですよ。
まー…ステキな感じでいうならば、「家族として心を許してるから」ゆえの夫の態度、とも言えるのかもしれない。
しかし…私とあなたは同じ人間ではない。
分かんないですよ。何を考えてるかなんて!
で、妻は夫に問うのです。
「あなたの考えを教えてよ!」
「親しき仲にも礼儀あり、て言うでしょ?なんでそんなキツい言い方するの?」
けれど、考え、視点、思いの違う夫(または妻)には、その「なんで?どうして?」と言われる意味すらも、そもそも分からないのです。
そして、先に紹介した本の著者も、「なんで?どうして?」を抱えながら、そうした特性と分かりながらも、奥様の言葉や行動の裏側を自身が高次脳機能障害になって初めて、理解できたのです。
これは、誰にでも当てはまる話し
ツイッターへの呟きにも書きましたが、
すぐ、発達障害なの?と考えろとかそんなんじゃなくて、程度の差はあれど、誰にしも感覚の違いはあるんだよ、自分にも当たり前と思ってるけど、人と違うところがあるんだよ、それを知ることが大事じゃないかな?と、私はこの本を読んで最初に感じたことです。
— Tomomi Higurashi (@HigurashiTomomi) 2018年4月25日
発達障害を疑え、調べろ、などを言いたいのではないです。
著書ご夫婦と同じような「なんで?どうして?」に対して
一方的に
「こうだから仕方ない」
「我慢するしかない」
「諦めるしかない」
自分基準の色メガネで、想像だけで勝手に答えを出して、しかし納得せずにいる関係は、どんな夫婦にも、また親子でも、ありがちなのではないか?ということ。
自分基準の色メガネの正体、これは「把握してない、自分自身の思い込みやこだわり」です。
それを分かってないのに、相手との違いを理解できるわけないんです。
それはただの、自分にしかわかってない常識の前提(自分だけの当たり前)で考えた決めつけ、なんですよね。
夫婦の、親子の、家族の、それぞれの
誰しにも、自分にしか分からない視点、考え、感覚を持っています。
それは、自分でも説明できない事もあるし、当たり前と思い過ぎてて、人と違うとは知らない場合もある。
夫婦だからこそ、その色メガネを外して、
親子だからこそ、その色メガネを外した向こう側を。
どうしていつも、片付けを頼んでも、必ず最後まで片付けができないの?
なんで必ず電気を消し忘れるの?
努力が足りない?注意散漫?反抗してる?面倒臭いの?
それは、あなたの色メガネをかけた答えのはず。
「なんで?どうして?!」
言われて困ってるのは、言った方じゃなくて、言われた方だとしたら?
ゴールデンウィークがスタートし、家族で過ごす人も多いのではないでしょうか?
きっと、普段と違うアクシデントもあるかもしれません。
そんな時は、いつもの「なんで?どうして?!」に対する、あなたの考えをやめてみて下さい。
色メガネを外した、その先の、新たな関係を作るきっかけに、きっとなるはずです。
こちらは私の、整理収納と夫婦関係家族関係など様々な事を合わせて書く理由です。合わせてお読み頂けると嬉しいです。
【夫婦生活の悩みは暮らしの一部だからこそ、私が整理収納で解決します。】